この楽曲の権利を更新できなかった為に、現在SteamではHitman:Contractsはカタログに存在していない。Clutchというバンドはドイツのバンドらしいのだが、現在の彼らのウェブサイトをざっくり見る感じだとややDIY志向の強いインディペンデントなハードロックバンドと言った感じで、さして権利的に揉めそう(経験的に感じるヤバイアイコンが見当たらない)とも思えないのだが…Immortalの収録アルバムPure Rock Furyが不幸な事に、かつてワーナー傘下のAtlantic Recordsと契約していた頃のリリースだという事で、なるほど合点、香りたつイーヴル、口の中でトロける、とても味わい深い邪悪。
Hitman2:SA、つづくFreedom Fightersによって世界的な成功を果たしたIO Interactiveは2004年にEidosに買収され、独立ゲーム開発アメリカンドリームすごろく(会社立ち上げて軌道に乗ったら大手に売却してゴール)を見事にあがってみせた。また、この時に離反したスカンジナビアシーンより育てられた生え抜きの独立派創始者メンバー(Ex-Zyrinx)は前会社の看板Reto-Motoを引っ提げて再スタートしている、まぁその辺は前にちょろっと書いた通りである。
あえて今風に、嫌味を込めて言うならインディーIOは2004年に死んだ。主要なメンバーの一部は離反し、それだけならまだしも親会社Eidosの迷走ときたもんだ、参ってしまう。Hitman Contractsはそんなゴタゴタの最中に生み出された難産な子だった、元々非常にマチュアなテーマを扱った同フランチャイズの中でも飛び切りブルータルかつインサニティなテーマ/ヴィジュアル。音楽面においてもFreedom Fightersや、その後引き受ける事になるAssassin's Creedでのメインストリーム然としたサウンドと異なるJesper Kydによる実験的なスコア群(ダークなアンビエント/EDM、後半面での中華ストリングスをフィーチャーした楽曲は痺れるぞ)と挑戦的な仕切り直しだ。その後続くHitman Blood Moneyはビデオゲームの歴史に輝くマスターピースとなり結果、影に隠れてしまったものの、間違いなくContractsは傑作であり、こうやって変な所でケチがついてしまうのは惜しい話である。
最後に本件と全く関係ないがQuarantineというディストピアバイオレンスタクシードライビングゲームのサウンドトラックを貼ろう、本作はDosのゲームなのだがメディアにCDを採用し、空き容量に地元オーストラリアのオルタナロックバンドの楽曲を詰め込んでいるのだ。本作は珍しい事に国内のコンソール3機種に移植されているのだが、内容ほぼ一緒なのにタイトルが各機種で全く違うという意味不明な作品で、PS版のタイトルは「ハードロックキャブ」というイカしたタイトルに、飛び切り濃ゆいカバーを引っ提げてきたのだが、カーステレオから流れてくるのは、ややダウナー気味なオージー産ニューウェーブ/オルタナロックというなにもかも歪な作品だった。
酸性雨の降りしきる隔離された迷路のような都市ケモシティを、チェーンガンを搭載した半重力イエローキャブで走る。西海岸の街をメロコアバックに走るより、僕はしっくりくるような気がして、たまにあの街で客を拾いたくもなるんだ。
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