2018年6月20日水曜日

よいこのパンクロック講座 Randy The Band Punk Rock High 対訳と解説


スウェーデンの無節操パンクロッカーズ Randyが2005年にリリースしたアルバムRandy The Band(現時点でのラストアルバム)のオープニングナンバーPunk Rock Highの対訳と解説。つまり以下はロックンロールのネタバレなので真のロッカーはさっさと回れ右して、シールドを挿したらアンプのつまみを全て右に回せ、お前がかき鳴らしたそれだけが本当の初期衝動だ。

2018年6月16日土曜日

僕をちんしゃぶホモ野郎と呼んでよ Call Me by Your Names

Milo Goes to College 1982
カリフォルニアのパンクバンドDescendentsが当時、先進的であったのは、コーヒーや女の子など身近で普遍的な物をテーマにした詩を叙情的に歌い上げた点にある。あるいはvoxのMiloが分厚いレンズを黒縁のがっちりとしたフレームが支える野暮たいガリ勉メガネをかけた、いかにもイケてない奴だった事かもしれない。ある種のパンクロックワンダーとは親近感を媒体とした化学反応によって引き起こされる事を示唆している。

I'm Not a Loserという曲は、40年以上続くこのバンドの歴史の中で比較的初期に作られた定番ナンバーの一つ。端的に言えばワーキングクラスの負け犬が同世代か、あるいは若い俗物のボンボンを妬み嫉みながらも気丈に振る舞うファックユーアティチュードに溢れた詞である。

2018年4月27日金曜日

超暴力ゲームとしてのWolfenstein II : New Colossus 解説



Wolfenstein II : New Colossus

オーバーテクノロジーの超兵器と不死身のオカルト軍団を擁し悪逆非道を尽くすナチをアメリカ軍所属のスーパーソルジャーWilliam "BJ" Blazkowiczがたった一人、八面六臂の大活躍で打倒する人気超暴力FPSの最新作。シリーズは92年のWolfenstein 3Dから断続的にリブートされているものの、これまでは第二次世界大戦時代のナチに征服された欧州や北アフリカの戦場へ単身BJが乗り込んでいくというのが基本的な骨子であった。

ところが2014年に発売された前作Wolfenstein:New Orderは先の大戦を勝利したナチに支配される60年代の欧州を舞台に、レジスタンスを扇動するゲリラ戦スタイルへと転身。つづく本作ではアメリカ本土へ舞台を移し、移民受け入れを背景として根付いた多様な人種やその文化が究極の多数派となったアーリア人グループにより不当に弾圧される様と対する反抗をプレイヤーは体験する事になる。

2018年4月18日水曜日

æ 君の好きなその眼球 俺も昔から好きなんだ。

"And now here is my secret, a very simple secret: It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.”
― Antoine de Saint-Exupéry
狐の去り際の言葉とは裏腹に、我々が物憂げな美少女の内に秘めたる思いに共感したのは彼のあの目をみた時であったと思う。そして狐の教えてくれた通り、目と目を交わしても彼は彼女の心を見通す事が出来なかったのである。

恋は雨上がりのように
https://bigcomicbros.net/comic/koiame/

「恋は雨上がりのように」は見目麗しい黒髪の女子高生 橘あきらが、バイト先のファミレス店長 近藤正己に対し人知れず恋をしているという描写から始まる。そこに至るまでに出会いがあり、心臓を射抜かれる瞬間があったのだろうが、それはまだ描かれない。はじめに視聴者に知らされるのは近藤正己という男が職場の人間からは総じて情けないおじさんだと呆れられ、また本人もそれを自覚しているという事と、にもかかわらず彼女だけが例外的に、肥大した盲目的な好意を彼に寄せているという事だ。

2018年4月12日木曜日

中国チキンゲーム戦争 ~正しいPUBGのパクり方~


先日PUBGcoはNeteaseによる2作(荒野行動、終結者2/生存法則)のPUBGクローンに対して著作権侵害訴訟を提起した。このクレームの詳細はTorrentFreakのアップしたpdfを確認してほしい。本稿では昨年の秋頃から中国で発生したモバイル/PC向けPUBG Rip-offシーンの流れと、中国の巨人Tencent(QQ)とNeteaseによるチキンゲーム戦争というPUBG Rip-off訴訟の背景、サブテキストを読み解く。

なおPUBG以前のバトルロワイヤルジャンル(ハンガーゲーム)に関する混沌とした歴史は、バトルロワイヤルジャンルの歴史観に関する個人的な考察に断片的ながら記しているので興味があれば併読いただきたい。

2017年12月17日日曜日

バトルロワイヤルジャンルの歴史観に関する個人的な考察

BR

This is a ruthless world and one must be ruthless to cope with it. 
アンリ・ヴェルドゥ
時は2017年、PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDSの歴史的な成功によりミスターPLayerUNKnown、略してプランクさんは一躍時の人になりました。彼の時に不器用さを覗かせる一貫した創作に対する姿勢が正しかった事がこれで一定の証明を得たといえるでしょう。我々シーンに根ざし、シーンに死ぬビデオゲーム路傍の遺志は、プランクさん以前の時代のバトルロワイヤルゲームとそのシーンの歩みについて個人的なメモをここに残します。

2017年11月3日金曜日

日本の古代LANパーティと類するシーンや遠隔地対戦について

ヘッド2ヘッドゲームキット
90年代の実に奇妙なパッケージ。30フィートのシリアルケーブル(RS232C)と
シェアウェアCD(再配布、販売が可能なデモ版ソフトウェアの当時のナウい呼び方)
が押し込められた箱で5800円もする、今ならガチャ20回くらい引ける。


はじめに
以下は個人的なフィールドワークを元にミレニアム以前、90年代のコンピュータゲームにおけるマルチプレイヤーモードがどう遊ばれていたかについてのメモ書きです。ビデオゲームは媒体であり、体験やシーンこそが真に重要であるというここの基本方針を前提に、対象の単一な側面を捉えようという試みの一環であり、網羅的な内容ではありません。

http://www.4gamer.net/games/999/G999901/20171011112/
この記事のそもそもLANパーティーとは何なのかという項を補足するようなイメージで起こしたので、はじめに読んでおくといいかもしれません。ネット有史以前の情報は様々な層で致命的な歴史断絶が発生していまして、当時の証言者に当たっても既に個々の記憶が曖昧であったり、そもそも40~50代ですから、Jerry Rubinの言葉に従えば信じてはいけないジェネレーションなのですが、20年以上前にまぁこんなこともあったのねという感じで読んでください。もし内容の訂正や異なる情報の付記などをされたい場合は引用はもちろん、全文転載、加筆、改変してもらって結構ですのでよろしくお願いします。

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