オリジナルリリースは90年、未だに90年代が20年以上前を指す場合に違和感を覚えます。CorporationあるいはCyber-Cop(US版タイトル、酷い、アメリカってのは本当に酷い)は大変野心的な黎明期の3D RPG/FPSである。巨大企業が支配するディストピアなイギリスを舞台に、遺伝子実験によりモンスターを生み出そうとする大企業UCCへエージェント(プレイヤー)が潜入するというストーリー。リアルタイム性のいわゆるFPSだが、銃器を用いた戦闘にハッキング等のスキルを選択し使用するRPG要素が含まれるハイブリッド型ゲームで、企業ビルのフロアをあしらった3D空間、フロア内のスイッチパネルには専用の操作インターフェイスを用意し、破壊可能な監視カメラと、それに発見された際の警戒ステータスという潜入スパイモノらしく大変雰囲気が良い。セキュリティボットや遺伝子操作で作られたクリーチャーなど舞台設計に統一された敵デザインも大変素晴らしい。
Wolfenstein3D、Doom、あるいはUltima Underworld、System Shockよりも前に既にこんなにも野心的なゲームが存在していたのである。黎明期3Dゲームを支えたKevin Bulmer(2011年没)渾身の一作、3Dのパイオニアだけあってメックの書き割りモデルを各方向から見た際の自然さなど、丁寧な仕事ぶり。じゃあなんでこのゲームは忘れられているのかって?煩雑な操作体系とタフすぎた難易度のせいだろうか、ましてや当時のRPGプレイヤーには辛すぎた…すいません生意気言いました、僕も歯が立ちませんでした、フルマウスオペレーションの頭がおかしくなりそうな操作系、複数階層にまたがったビルはマップがあっても道に迷うわ、エージェントくんのダメージ管理が大変だわ、このゲームはコア過ぎたんです、早過ぎたピュアサイバーパンクFPS/RPG、ヒントブックが手に入ったらクリアするつもりリスト入り。
Wolfenstein3D、Doom、あるいはUltima Underworld、System Shockよりも前に既にこんなにも野心的なゲームが存在していたのである。黎明期3Dゲームを支えたKevin Bulmer(2011年没)渾身の一作、3Dのパイオニアだけあってメックの書き割りモデルを各方向から見た際の自然さなど、丁寧な仕事ぶり。じゃあなんでこのゲームは忘れられているのかって?煩雑な操作体系とタフすぎた難易度のせいだろうか、ましてや当時のRPGプレイヤーには辛すぎた…すいません生意気言いました、僕も歯が立ちませんでした、フルマウスオペレーションの頭がおかしくなりそうな操作系、複数階層にまたがったビルはマップがあっても道に迷うわ、エージェントくんのダメージ管理が大変だわ、このゲームはコア過ぎたんです、早過ぎたピュアサイバーパンクFPS/RPG、ヒントブックが手に入ったらクリアするつもりリスト入り。
94年発売のADV、10月にフリーウェア化した。これまた酸性雨の降るディストピアな未来を舞台に、異なる次元の意思(或いは狂人の妄想)に導かれた男が淡々とターゲットを暗殺するサイコな作品。ピクセルベースで描かれたトップダウン視点から何が救われるワケでもないエグい物語が紡がれる。騎乗位セックス、腹に風穴、圧殺、轢死、チマチマしたグラフィックはたっぷり血を吸った蚊を手の平で叩き潰した時の様だ、ディスプレイの向こうでペチャリ、へばりつく。
無駄/無意味なアイテムがそこらじゅうに散らばってるくせにインベントリスペースの制限が厳しく、何が何に作用するのか見当も付かぬままスキゾ男を導いていく、その先には当然の報いを受ける終末が待っているだけだ。書いてるだけで気が滅入る…メインストリームではなかなか味わえない生臭い鉄の味わい。
Hotline Miamiの製作者Cactusが本作からの影響について聞かれた際、"そもそもDreamwebを知らなかった"と答えた事でほんのちょっとだけ話題になったのだが、おそらくは本当に知らないのだろう、Special Thanks ListにIkikiが記載されている一方で今更変なすっとぼけをする必要性があるとも思えない。
95年発売、2012年にgog.com入りしたが、ながらく過小評価されてきたADV、いわゆるポストAlone in the Darkゲームで、プリレンダ背景とリアルタイムレンダのオブジェクトで描かれた空間を、旋回と前進/後退で操作するというお約束に沿った作り。
この手のジャンルとしてはいち早くテクスチャマッピングを採用した美麗な映像、インプラント技術で人体拡張されたサイボーグのリアルな動きから繰り出す打撃感の良い格闘システムと同時代の競合作を圧倒する出来の良さ。HUDレス設計でダメージをキャラクターのヴィジュアル(血塗れになる)で表現し、パネルなど一部の操作は専用の美麗2D GUIを用意、キャラクターはトーキーでしゃべりまくり、声優もサウンドエフェクトも質が高く、とにかくリッチなゲームである。
地形で反射する銃を曲がり角から発射してセキュリティボットを破壊するなど細かなアイデアも光るSci-fi/Cyber Punkの快作、Project Firestartから脈々と続くEA閉鎖空間Sci-fiサバイバル(最近だとDead Space)の系譜。まぁ流石に今やるには辛いレガシーなゲームではある、Resident Evil(バイオハザード)より早く出たのにこの差は一体…やっぱりゾンビか。
全く関係ないがかつてテレビチャンピオンのゲーム王決定戦だかで、バイオハザードの元となったゲームは?という、かなりスレスレな問題が出て、案の定出場者の一人がAlone in the Darkと答えたところで不正解、もしかしてBioforge!?と思ったら、正解はスイートホームでした…という、とんでもない茶番を見せられて当時衝撃を受けた。
発売が遅れに遅れ、Doom EngineをライセンスしたDosゲーにも関わらず96年のリリース。これは凄い、あらゆる箇所が継ぎ接ぎされている。この頃の同ジャンルは仕様切りミスってみょうちきりんな世界観とゲームプレイになってしまうことはままあったし、まともに作ってもジャングルでニンジャとシークレットサービスをショットガンで撃ち殺すような代物が出来ていた(だからこそCorporationの統一された世界観は注目に値する)。本作はSci-fiなんだか、Medievalなんだか、Steam Punkなんだか、さっぱりわからない妙な空間を舞台に、Hexen/Hereticを発展させたようなRPG風(Corporationと違いあくまで"風"だ)のゲームプレイで展開されるFPS。
点在する初見殺しの悪質なトラップ、独自に拡張されたクセの強いスニークシステムやQuake2のHub型Mapに先駆ける中継点を行き来するレベルデザイン、特定キャラクターとの会話システム、野心的な新要素を実装しながらもやはり発売が遅すぎたのだろう、これも埋もれた作品である。元のDoom Engineから大幅に拡張された各要素をソースコードがないにも関わらずフルスクラッチで実装した各ソースポートの存在でモダンな操作性を手に入れており、今からでも遊びやすくなっています。開発のRogueはCounter Strike Condition Zeroの最初の開発会社で、ご存知の通りCS:CZ開発半ばで倒産する、この会社の最後の作品はAmerican McgeeのAliceだった。
97年リリース、最近になって一部で再評価されつつあるカルトな作品。OriginでWing CommanderシリーズのライターをしていたGilbert P. Austinがディレクションを手がけ、鳴り物入りで登場の筈が、発売は当初予定より遅れセールスは大コケ、今更Dosゲーというネックもあり再販もなく一瞬にして市場からフェードアウトした。50年代アメリカの田舎町Harvestを舞台に、どうやら現代からやってきたと思しき記憶喪失の男が、自身の記憶と町の謎を探る実写取り込みのポイント&クリック型ADV。
出てくるのは病的でイカれた、そして大変ステレオタイプな人間達ばかり、グロテスクなヴィジュアル描写に限ればソッチ系のパイオニアであるファンタズマゴリア、リアナルージュ辺りの方が尖ってたりするのだが、シリアルキラー、人肉食、児童虐待や、極めて差別的な表現に富んだアンモラルなテーマ群を豊富なテキストと悪趣味なムービーによって豪華に盛られている。選択+IF型の独特な会話システム、謎の戦闘システム、オフビート感極まりないアクター達の演技、各要素の相乗効果で全体に妙なグルーヴ感がある。
下半身のない戦争帰りのオッサンがコケて核ミサイルが発射されるとか、ガキを殴ったら銃で反撃されて死ぬとか、一般人を殴ったら今度は即電気椅子送りだとか、母親を食べるガキ、忌々しいホモモデル…たけしの挑戦状がこの時代に作られていたら正にこんな感じだったろうに。オチはシリアルキラーに見せた夢(仮想現実)でした…とありがちながら最後までナンセンスを貫き通している。The Cat Ladyのような本作の猟奇趣味に限り精神を継ぐタイトルの登場で、今後どうにかなるかも?やっぱりならないかも、独特のブラックユーモアを継ぐ必要があるだろう。
2000年発売の韓国産ホラーADV、いやぁこれは本当に良く出来てました。以前書いた通りエコーナイトとトワイライトシンドローム(あとクロックタワーかな)をミックスしたような作品なんですが、ロケーションの作りこみがとてもよく出来ていて大変没入感があります。500ウォン(日本円で50円くらい)硬貨を二枚入れて自販機で即席弁当を買う動作を逐一、財布を開けて、硬貨を手にとって、硬貨投入口に持っていって…とマウスで操作するってだけでも相当にストレンジな体験でワクワクするのですが、トイレや水場の近くでピチョンピチョンと水音がするとか、マッチを擦って点けた明かりで部屋を探してると靄みたいな幽霊が突然(ランダムで)出てくるとか、足音だけがする幽霊がいて、音の聞こえ方的に自分の体をちょうど今通過した事が分かってゾっとしたりだとか、看板に蹴躓いて廊下にバタンと音が響いたとか、一人称お化け屋敷のお手本のような作品と言えます。
良い体験派のホラーってのは幽霊そのものの怖さはもとより、何かを踏んづけた、何かを落としたといった"音"、鏡に映る自分の姿といった日常生活で目や耳にするありふれた物を緩急つけて効果的に用いる事で境界、あるいは違和感を揺さぶってくるのです、物言わぬ鏡が稲川淳二より雄弁な怪談の語り部であることは誰もがご存知の筈でしょう。木製の扉がただ開くだけでわざとらしくギィィィ~っと不穏な音をたてたりすると、"これ"をないがしろにしてるゲームが実は多い事を思い知らされるのです。あとバグっぽい変な挙動が(壁を透けてオブジェクトが描画されるとか、用務員のオッサンが突如テレポートしたり)所々で発生しても、不条理な怪奇現象として流せる感じが得してやがんなーとか思いました、マウスオペレーションで殆ど全ての操作が可能というのも大変クールだ。開発者によるNDC2012公演のスライドは必見>http://doocub.egloos.com/4707436
2004年リリースのリニアな演出重視Beat'emup/Platformer…上手い事ジャンルを形容できません。俳優のジェット・リーをフィーチャーしたオリジナルのビデオゲームで、今だから気づける野心的なデザインに素直にこれは感動しました、これがファーストパーティ(SCEA)製。本作はリニアな真直線のレベルデザインに徹底されてて、プレイヤーは進むべき目的へ向かってひたすら前へ進んでいく設計になっています。Semi 3D Platformerと呼ばれたクラッシュバンディクーやモダンソニックの高速ステージをイメージいただくと分かりやすいですね。
最初のシーケンスではひったくりを追ってダウンタウンで追いかけっこをするのですが、左右のわき道(通れない)から車が飛び出して壁に激突し、足場が突然崩れ、物が降ってきたりする、それで都度そのアクシデントに対してアクションボタンを押したり移動で避けたり対応します。その先でギャングの手下が襲ってきたらBeat'emupスタイルに切り替わるので、カンフーでボコボコにし、飛び蹴りで屋上から突き落としてやったりする。
これって今たくさんスマートフォン向けに出てるEndless Running的なゲームプレイなんですね、そこへ更にBeat'emupがアクセントに挿入されるんだから大変リッチなゲームでしょう?。でその後もシュートドッジしたり、障害物をカバーにする香港シューター(残念ながらロックオン形式だ)があって、暗闇の下水道をフラッシュライトを持った警備の隙を突いて進むステルスがあって、またBeat'emupかと思ったら今度は大多数の相手に囲まれた状態で、それぞれ攻撃に対応するボタンを押してカウンターを決めるArkham Cityとか最近のPrince of Persiaみたいなパートになって、またプラットフォームを走って…バラエティに富んだゲームプレイが全て真直線に進行するのだ。
復路とか行き止まりが全くない、本当に一本道。カメラは都度方向を変えるんだけど、やることは元居た位置の反対側に向かって走るだけ。カメラがプレイヤーキャラクターの後ろなら奥へ進む、体の右側を移しているなら右へ、正面からなら手前へ。これが滑車付きのカメラを水平に線路に沿って走らせて撮ったような、映画的というか、それを通り越してもはや遊園地のライドのような感覚なんですね。目的地をご丁寧にHUD上の巨大な矢印で示し、透明の壁や地雷原でデザインする無能の迷路など必要などなく、本質としてただ前に進むだけで良いという力強いメッセージに痺れる。
2010年作、猫も杓子もMatch 3(Bejeweledのようなゲームの事だ)、猫も杓子もEndless Running(日本のチャリ走、Canabalt、Temple Run系のことだ)という近年のカジュアルゲーム(あるいはスマートフォン向けゲーム)の体たらくに食わず嫌いの拒絶反応をしていたら、どちらもどんどん既存プレイヤー達のスキルが上達していって、提供側もそれに応え、エキスパート向けの極めてコンペティティヴなジャンルになりつつあるのは想定外であった。前者のMatch3の方はEasy to Learn but Difficult to Masterに沿ったシンプルルール、急激に上昇する難易度曲線(主にこれはゲームスピードの上昇によってなされる、人間の限界とは詰まる所処理速度なのだ)、あるいは単純に短い制限時間を設けた限界へのチャレンジだ。
上手くなると1日ゲーセンに居座れるインカム設計をミスったパズルゲームをマラソン型とするなら、これはスプリント型のゲームである。目を皿にしてジェムを探し、ひたすら手を動かすと(ちなみに僕のB3はWindows版で、マウスとK/Bを用いてジェム移動を行う)ハードウェアの性能向上の恩恵もあり、マルチタッチで盤上のジェムが同時にギュインギュイン動き、過剰なエフェクトがGPUをぶんまわして炸裂する。本作はPeter Hajba、Alexander Brandon(あのSkavenとSirenだ!)によるDemo/Music Disk Scene出自の素晴らしいサウンドも魅力だ、SEもBGMも結局タイムアウト警告音がプレイヤーを急かして邪魔だという結論に至り、今ではOffにしちゃいましたが。
今更カジュアルゲームオブザイヤー、その後は、更なる運要素と手近なライバルを短いスパンで提示しモチベーションを維持させるコロンブスの温泉卵的タイトル対戦Zoo Keeperがあなたを待つ!
ARMA2の2009年くらいに出たMOD、大規模マップを用いたオリジナルのマルチプレイヤールール、通称21世紀娼婦殺しシミュレーター。参加者はエンフォーサーとシリアルキラーに分かれ、シリアルキラーは各所にいるAIが制御する客をとる気があるのか怪しい立ちんぼ(娼婦)を殺し、エンフォーサーは猟奇殺人を止めるべく広大な土地の道路を封鎖し、山狩りし、カーチェイスを行う。
本作はとても地味な、しかし味わい深いゲームだった。ハマろうにも常設サーバーが無く、奇跡的にフォーラムにセッション予定が書かれていたので、ほんの1度だけ遊ぶことが出来たのみ。それも時差の問題で最後まで遊べなかったのが残念でたまらない。山村の廃屋みたいな場所でド派手な赤いビッチ服に身を包んだ娼婦だけを狙って、車を駆りツアー殺人に勤しむキチガイ男、空気に近い市民AIがまばらにばらつく文字通り死んだ世界をVoIPを活用し、必死に守ろうとするエンフォーサー達、なにかがおかしい歪な世界、これはまるでHarvesterだ。マップがバカみたいに広い割に断続的に起こる連続娼婦殺人のミニマルさ、スロウなテンポが、かなりの忍耐力を必要とする。
この問題点を特殊好戦AIのゾンビをそこらじゅうに配し、ロール制を完全に廃することでエキサイティングかつサバイバルな戦闘バランスにしたのがDayzとなるわけだ、まぁ一長一短あるのでどちらが優れているという話ではない。Life RPGと違って殺人にテーマをフォーカスした分ヘヴィなゲームだった、しかし大人の鬼ごっことか言うと凄いペラい物のように聞こえる。また機会があれば遊びたい。
2010年リリースのHL2 EP2用シングルプレイヤーMOD、僕はHL2の軽薄なディストピア風の世界観ってのがあんまり好きじゃなくて、Sourceの写実的な乾いたヴィジュアルの質感がとても気に入ってる反面でどうも、HL2本編に準拠したサードパーティ製シナリオってのにはあまり食指が動かない(Portalは好きだ)。RadiatorはHL2本編と無関係のオリジナルの短編シナリオで、2つの独立したエピソードを収録している。
Issue 2のHandle with careと題されるエピソードは神経質な美しいビデオゲームで、カウンセラーと彼女の気に障る言葉のリフレイン、抑圧された橙色の記憶が度々フラッシュバックされる、そんな緊張に満ちた男の精神状態を爆弾運びプラットフォーム(比喩でなく言葉通りの意味である)という作業に置き換えて表現しているのが本作。ビデオゲームは現実の事象を簡略化、あるいはディフォルメす(歪め)る事で表現されるが、このシナリオは神経質で、ゲームプレイはまさに原型を留めておらず、歪んでいるのだ。当初シナリオと実際にプレイさせられる爆弾プラットフォームとのギャップ、歪みに対する違和感を強く感じるのだが、段々と困難になっていくプラットフォーム、気に障る言葉の繰り返しによる相乗効果がピークに達した時、男の精神状態と擬似的にシンクロし、えも言われぬ開放感に満ちた終末を迎える。Nestlings、Korsakovia、The Stanley Parableなど数あるその手のMODの中で昨年だと一番印象に残った"浪費"であった。
2010年リリースのDoom各Port用MOD、名前の通り大変加虐的なゲームである。オリジナルDoomのゲームプレイベースをモダンな感覚によって緻密に計算し底上げした大変丁寧な作品なのだが、メインフィーチャーはあくまでBlood,Guts And Bulletsという崇高な哲学に基づく暴力の嵐である。
部位ダメージの採用、自分も敵もよりダメージを増したペインフルな調整がゲームプレイの骨子を支え、画面一杯の血しぶきで目が塞がり、弾丸が食い込み肉片が爆ぜる。空薬莢が床に打ちつけられ、フロア中を飛び跳ねるモツの衝突音が裏打ちするゴアビート、ミニガンDJによってデスダンスを踊らされ襤褸切れになった最後のデーモンが息絶えれば、BPM1000の爆音は止み、静寂の中で天井に"溜り"を作るほど飛び散った数千リットルの血液がしずくとなり静かに水音を鳴らすのだ。
オリジナルより歯ごたえのある狡猾なデーモンの特性/AI、1500%の血と肉片によって20年前のクラシックを"フレッシュ"に蘇らせた快作。一枚スプライトの猥雑な魅力をこれほどまでに力強く表現したものがこれまであったろうか、その後の多くの猥雑オブスキュアゴア嗜好のスキモノに衝撃を与え、2012年にはBlood,Guts And Pussy(血とモツとオメコ)を体現するポルノ/ゴアグラインド志向極まる怪作Grezzo Dueなどの強烈なフォロワーを呼び僕を歓喜させた。
駿河屋のWindowsまとめ売り福袋に入っていた2000年発売のギャルゲー。トレーダーの買取価格が一番高かったのがこれだったので、おそらく駿河側としては"モト"が取れるタイトルとして封入したと思われる、なので仕方なく、度々熱心に取り組んだ。僕が2012年唯一遊んだ狭義のピュアギャルゲーである。
そもそも1を遊んだ事がないのだが、それでも安心。1の主人公は開始時点で既に死んでおり、1から全員続投のヒロイン12人は誰もがソイツの未亡人気取りというクソ面倒くさく、こっちとしては放っておきたくなるような様相を呈している。時間と他人、度々金銭的なデウスが解決してくれるだろう、そんな他者の世界に部外者として積極的に介入するのがプレイヤーの役目だ、パソロジックである。
12人の女をはべらかしていた性豪の死、直前に会おうとしていた女は誰だったのか?という傍から見るとクソしょうもなく、どうでもいい事を、マクガフィン的にさも重大そうに語られるミステリー、未亡人気取りで(場合によっては私の世界は終わったとか言い出す始末だ、やめてくれよ…)死んだ男の事でくすぶってるダウナーなカラフルヘアーのティーンエイジャー美少女というストレンジな世界観、彼女(ターゲットとして選んだ一人)の心の傷を、他の美少女達と時に干渉し埋めていく丁寧なプロセス、こっちとしては1mmも知らん他人である死んだ元カレ男の話を聞かされる身にもなってみろこのヤロー、クソアマめ!と忌々しく思ってるわけですが、テメーはテメーで未亡人気取りでドラマっちゃってる娘っ子の隙を突いてしっぽりしてやろうと思っていることに気づく時、せつない狂気の急行はもう止まれない。
そんなプレイヤーの潜在的なゲスさ(Lawful Evil)とやや善人的(Neutral Good)な主人公の行動指針とのギャップがまた不思議な体験であった。不穏な出だしの割になんだかんだでハッピーエンドへ転げていくトーキョーの箱庭、しかしエンディング評価が上からHappy/Better/Goodって並んでるのは釈然とこないんだぜ。
93年発売、バンダイ傘下ユタカによるADV、いわゆるポスト弟切草の影響が色濃いテキストと選択肢とサウンドでヴィジュアルなアレ。だれそれに(世間話をする為に)電話をかけるか否か程度のほんの些細な選択から先の読めない転落が待ち受ける恐怖のストーリー、小さなインプットで大きなアウトプットを吐き出す…の理論を読み違えたかのような豪快さであるが、決して設計をミスったとかではなく、一口大にカットしたエピソードのリプレイアビリティを確保する為の意図した所だと思われる。
プレイヤーはシマコーらしい不倫セックス、横領、派閥争いなど、社会貢献してる感を微塵も感じない社会人サラリーマンライフを実践していく。例えば、選択肢によっては、家族そっちのけで、あげまんの不倫相手とヤって何故か会社での評価が上がったり、会社の金に手をつけた挙句それを溶かしたりする、すなわちそれが結構楽しいのだ。
次第にプレイヤーは大ミスこいても、その一件がなぁなぁなままに話は進んだりする事など、シマコーの周囲に大いなる意思の存在がある事に気づくだろう…と思ったらマルチエンディングになっており最後の最後で左遷を食らって地方に飛ばされて、サラリーマン評価最低とか表示されたりする、ツケってのは後でくるのだ。でも左遷程度ですむんだからラッキーガイである事に変わりはなく、Mature指定の、上に挙げたADV群であれば死体袋に即シュートされてしかるべき人間であり、グッドエンドですら刺されても文句が言えないような人生に変わりはない。
一周通して2時間程度、原作があるだけあって諸設定、人物バックグラウンドがよく出来ており、各々の人間関係(それはしばしば、大抵、殆ど、やっぱりが各エピソードに一人登場するマドンナとの肉体関係などだ、穴兄弟島耕作。)がそれぞれの選択肢の結果で断片的に提示されるなど意外にも深みのある佳作。
無駄/無意味なアイテムがそこらじゅうに散らばってるくせにインベントリスペースの制限が厳しく、何が何に作用するのか見当も付かぬままスキゾ男を導いていく、その先には当然の報いを受ける終末が待っているだけだ。書いてるだけで気が滅入る…メインストリームではなかなか味わえない生臭い鉄の味わい。
Hotline Miamiの製作者Cactusが本作からの影響について聞かれた際、"そもそもDreamwebを知らなかった"と答えた事でほんのちょっとだけ話題になったのだが、おそらくは本当に知らないのだろう、Special Thanks ListにIkikiが記載されている一方で今更変なすっとぼけをする必要性があるとも思えない。
Bioforge - Dos Cyber PunkをテーマにポストAitDを目指した志の高さ。 当時は更にオーバースペックを要求と、極めて尖った作品である。 |
この手のジャンルとしてはいち早くテクスチャマッピングを採用した美麗な映像、インプラント技術で人体拡張されたサイボーグのリアルな動きから繰り出す打撃感の良い格闘システムと同時代の競合作を圧倒する出来の良さ。HUDレス設計でダメージをキャラクターのヴィジュアル(血塗れになる)で表現し、パネルなど一部の操作は専用の美麗2D GUIを用意、キャラクターはトーキーでしゃべりまくり、声優もサウンドエフェクトも質が高く、とにかくリッチなゲームである。
地形で反射する銃を曲がり角から発射してセキュリティボットを破壊するなど細かなアイデアも光るSci-fi/Cyber Punkの快作、Project Firestartから脈々と続くEA閉鎖空間Sci-fiサバイバル(最近だとDead Space)の系譜。まぁ流石に今やるには辛いレガシーなゲームではある、Resident Evil(バイオハザード)より早く出たのにこの差は一体…やっぱりゾンビか。
全く関係ないがかつてテレビチャンピオンのゲーム王決定戦だかで、バイオハザードの元となったゲームは?という、かなりスレスレな問題が出て、案の定出場者の一人がAlone in the Darkと答えたところで不正解、もしかしてBioforge!?と思ったら、正解はスイートホームでした…という、とんでもない茶番を見せられて当時衝撃を受けた。
Strife - Dos ハブの中心となる街エリアにはNPCが多数用意されている。 この辺はメディーバル+スチームパンク風のヴィジュアル |
点在する初見殺しの悪質なトラップ、独自に拡張されたクセの強いスニークシステムやQuake2のHub型Mapに先駆ける中継点を行き来するレベルデザイン、特定キャラクターとの会話システム、野心的な新要素を実装しながらもやはり発売が遅すぎたのだろう、これも埋もれた作品である。元のDoom Engineから大幅に拡張された各要素をソースコードがないにも関わらずフルスクラッチで実装した各ソースポートの存在でモダンな操作性を手に入れており、今からでも遊びやすくなっています。開発のRogueはCounter Strike Condition Zeroの最初の開発会社で、ご存知の通りCS:CZ開発半ばで倒産する、この会社の最後の作品はAmerican McgeeのAliceだった。
Harvester - Dos これがいわく付きの人肉食シーケンス。 |
CD3枚に収められたキッチュなムービー |
下半身のない戦争帰りのオッサンがコケて核ミサイルが発射されるとか、ガキを殴ったら銃で反撃されて死ぬとか、一般人を殴ったら今度は即電気椅子送りだとか、母親を食べるガキ、忌々しいホモモデル…たけしの挑戦状がこの時代に作られていたら正にこんな感じだったろうに。オチはシリアルキラーに見せた夢(仮想現実)でした…とありがちながら最後までナンセンスを貫き通している。The Cat Ladyのような本作の猟奇趣味に限り精神を継ぐタイトルの登場で、今後どうにかなるかも?やっぱりならないかも、独特のブラックユーモアを継ぐ必要があるだろう。
White Day: A Labyrinth Named School - Windows 緻密なディティールで描かれる夜の木造旧校舎は、 積み重ねられた記憶を掘り返し恐怖を感じさせる。 |
ありふれた場所を丁寧に描く |
良い体験派のホラーってのは幽霊そのものの怖さはもとより、何かを踏んづけた、何かを落としたといった"音"、鏡に映る自分の姿といった日常生活で目や耳にするありふれた物を緩急つけて効果的に用いる事で境界、あるいは違和感を揺さぶってくるのです、物言わぬ鏡が稲川淳二より雄弁な怪談の語り部であることは誰もがご存知の筈でしょう。木製の扉がただ開くだけでわざとらしくギィィィ~っと不穏な音をたてたりすると、"これ"をないがしろにしてるゲームが実は多い事を思い知らされるのです。あとバグっぽい変な挙動が(壁を透けてオブジェクトが描画されるとか、用務員のオッサンが突如テレポートしたり)所々で発生しても、不条理な怪奇現象として流せる感じが得してやがんなーとか思いました、マウスオペレーションで殆ど全ての操作が可能というのも大変クールだ。開発者によるNDC2012公演のスライドは必見>http://doocub.egloos.com/4707436
Rise To Honor - PS2 キャラクタの魅力に主軸を置いた極めてリニアなレベルデザイン、 当時はクリアまでの時間の短さが批判の対象となった模様。 |
最初のシーケンスではひったくりを追ってダウンタウンで追いかけっこをするのですが、左右のわき道(通れない)から車が飛び出して壁に激突し、足場が突然崩れ、物が降ってきたりする、それで都度そのアクシデントに対してアクションボタンを押したり移動で避けたり対応します。その先でギャングの手下が襲ってきたらBeat'emupスタイルに切り替わるので、カンフーでボコボコにし、飛び蹴りで屋上から突き落としてやったりする。
これって今たくさんスマートフォン向けに出てるEndless Running的なゲームプレイなんですね、そこへ更にBeat'emupがアクセントに挿入されるんだから大変リッチなゲームでしょう?。でその後もシュートドッジしたり、障害物をカバーにする香港シューター(残念ながらロックオン形式だ)があって、暗闇の下水道をフラッシュライトを持った警備の隙を突いて進むステルスがあって、またBeat'emupかと思ったら今度は大多数の相手に囲まれた状態で、それぞれ攻撃に対応するボタンを押してカウンターを決めるArkham Cityとか最近のPrince of Persiaみたいなパートになって、またプラットフォームを走って…バラエティに富んだゲームプレイが全て真直線に進行するのだ。
復路とか行き止まりが全くない、本当に一本道。カメラは都度方向を変えるんだけど、やることは元居た位置の反対側に向かって走るだけ。カメラがプレイヤーキャラクターの後ろなら奥へ進む、体の右側を移しているなら右へ、正面からなら手前へ。これが滑車付きのカメラを水平に線路に沿って走らせて撮ったような、映画的というか、それを通り越してもはや遊園地のライドのような感覚なんですね。目的地をご丁寧にHUD上の巨大な矢印で示し、透明の壁や地雷原でデザインする無能の迷路など必要などなく、本質としてただ前に進むだけで良いという力強いメッセージに痺れる。
Bejeweled 3 - Windows 3つそろえて消すゲームプロフェッショナルエディション |
上手くなると1日ゲーセンに居座れるインカム設計をミスったパズルゲームをマラソン型とするなら、これはスプリント型のゲームである。目を皿にしてジェムを探し、ひたすら手を動かすと(ちなみに僕のB3はWindows版で、マウスとK/Bを用いてジェム移動を行う)ハードウェアの性能向上の恩恵もあり、マルチタッチで盤上のジェムが同時にギュインギュイン動き、過剰なエフェクトがGPUをぶんまわして炸裂する。本作はPeter Hajba、Alexander Brandon(あのSkavenとSirenだ!)によるDemo/Music Disk Scene出自の素晴らしいサウンドも魅力だ、SEもBGMも結局タイムアウト警告音がプレイヤーを急かして邪魔だという結論に至り、今ではOffにしちゃいましたが。
今更カジュアルゲームオブザイヤー、その後は、更なる運要素と手近なライバルを短いスパンで提示しモチベーションを維持させるコロンブスの温泉卵的タイトル対戦Zoo Keeperがあなたを待つ!
Crooks - Windows 忍耐力を要する本格的シリアルキラーごっこ |
本作はとても地味な、しかし味わい深いゲームだった。ハマろうにも常設サーバーが無く、奇跡的にフォーラムにセッション予定が書かれていたので、ほんの1度だけ遊ぶことが出来たのみ。それも時差の問題で最後まで遊べなかったのが残念でたまらない。山村の廃屋みたいな場所でド派手な赤いビッチ服に身を包んだ娼婦だけを狙って、車を駆りツアー殺人に勤しむキチガイ男、空気に近い市民AIがまばらにばらつく文字通り死んだ世界をVoIPを活用し、必死に守ろうとするエンフォーサー達、なにかがおかしい歪な世界、これはまるでHarvesterだ。マップがバカみたいに広い割に断続的に起こる連続娼婦殺人のミニマルさ、スロウなテンポが、かなりの忍耐力を必要とする。
この問題点を特殊好戦AIのゾンビをそこらじゅうに配し、ロール制を完全に廃することでエキサイティングかつサバイバルな戦闘バランスにしたのがDayzとなるわけだ、まぁ一長一短あるのでどちらが優れているという話ではない。Life RPGと違って殺人にテーマをフォーカスした分ヘヴィなゲームだった、しかし大人の鬼ごっことか言うと凄いペラい物のように聞こえる。また機会があれば遊びたい。
Radiator Vol.1 - Windows 橙色の記憶 |
Issue 2のHandle with careと題されるエピソードは神経質な美しいビデオゲームで、カウンセラーと彼女の気に障る言葉のリフレイン、抑圧された橙色の記憶が度々フラッシュバックされる、そんな緊張に満ちた男の精神状態を爆弾運びプラットフォーム(比喩でなく言葉通りの意味である)という作業に置き換えて表現しているのが本作。ビデオゲームは現実の事象を簡略化、あるいはディフォルメす(歪め)る事で表現されるが、このシナリオは神経質で、ゲームプレイはまさに原型を留めておらず、歪んでいるのだ。当初シナリオと実際にプレイさせられる爆弾プラットフォームとのギャップ、歪みに対する違和感を強く感じるのだが、段々と困難になっていくプラットフォーム、気に障る言葉の繰り返しによる相乗効果がピークに達した時、男の精神状態と擬似的にシンクロし、えも言われぬ開放感に満ちた終末を迎える。Nestlings、Korsakovia、The Stanley Parableなど数あるその手のMODの中で昨年だと一番印象に残った"浪費"であった。
Brutal Doom - Windows 血とモツと弾丸と |
部位ダメージの採用、自分も敵もよりダメージを増したペインフルな調整がゲームプレイの骨子を支え、画面一杯の血しぶきで目が塞がり、弾丸が食い込み肉片が爆ぜる。空薬莢が床に打ちつけられ、フロア中を飛び跳ねるモツの衝突音が裏打ちするゴアビート、ミニガンDJによってデスダンスを踊らされ襤褸切れになった最後のデーモンが息絶えれば、BPM1000の爆音は止み、静寂の中で天井に"溜り"を作るほど飛び散った数千リットルの血液がしずくとなり静かに水音を鳴らすのだ。
オリジナルより歯ごたえのある狡猾なデーモンの特性/AI、1500%の血と肉片によって20年前のクラシックを"フレッシュ"に蘇らせた快作。一枚スプライトの猥雑な魅力をこれほどまでに力強く表現したものがこれまであったろうか、その後の多くの猥雑オブスキュアゴア嗜好のスキモノに衝撃を与え、2012年にはBlood,Guts And Pussy(血とモツとオメコ)を体現するポルノ/ゴアグラインド志向極まる怪作Grezzo Dueなどの強烈なフォロワーを呼び僕を歓喜させた。
センチメンタルグラフティ2 - Windows カメラ目線だけどみんな未亡人気取りのおセンチちゃんだ |
そもそも1を遊んだ事がないのだが、それでも安心。1の主人公は開始時点で既に死んでおり、1から全員続投のヒロイン12人は誰もがソイツの未亡人気取りというクソ面倒くさく、こっちとしては放っておきたくなるような様相を呈している。時間と他人、度々金銭的なデウスが解決してくれるだろう、そんな他者の世界に部外者として積極的に介入するのがプレイヤーの役目だ、パソロジックである。
12人の女をはべらかしていた性豪の死、直前に会おうとしていた女は誰だったのか?という傍から見るとクソしょうもなく、どうでもいい事を、マクガフィン的にさも重大そうに語られるミステリー、未亡人気取りで(場合によっては私の世界は終わったとか言い出す始末だ、やめてくれよ…)死んだ男の事でくすぶってるダウナーなカラフルヘアーのティーンエイジャー美少女というストレンジな世界観、彼女(ターゲットとして選んだ一人)の心の傷を、他の美少女達と時に干渉し埋めていく丁寧なプロセス、こっちとしては1mmも知らん他人である死んだ元カレ男の話を聞かされる身にもなってみろこのヤロー、クソアマめ!と忌々しく思ってるわけですが、テメーはテメーで未亡人気取りでドラマっちゃってる娘っ子の隙を突いてしっぽりしてやろうと思っていることに気づく時、せつない狂気の急行はもう止まれない。
そんなプレイヤーの潜在的なゲスさ(Lawful Evil)とやや善人的(Neutral Good)な主人公の行動指針とのギャップがまた不思議な体験であった。不穏な出だしの割になんだかんだでハッピーエンドへ転げていくトーキョーの箱庭、しかしエンディング評価が上からHappy/Better/Goodって並んでるのは釈然とこないんだぜ。
課長島耕作 スーパービジネスアドベンチャー - スーパーファミコン 仕事をしない仕事ゲーム、だから楽しい、それはたった一つの事実。 |
プレイヤーはシマコーらしい不倫セックス、横領、派閥争いなど、社会貢献してる感を微塵も感じない社会人サラリーマンライフを実践していく。例えば、選択肢によっては、家族そっちのけで、あげまんの不倫相手とヤって何故か会社での評価が上がったり、会社の金に手をつけた挙句それを溶かしたりする、すなわちそれが結構楽しいのだ。
次第にプレイヤーは大ミスこいても、その一件がなぁなぁなままに話は進んだりする事など、シマコーの周囲に大いなる意思の存在がある事に気づくだろう…と思ったらマルチエンディングになっており最後の最後で左遷を食らって地方に飛ばされて、サラリーマン評価最低とか表示されたりする、ツケってのは後でくるのだ。でも左遷程度ですむんだからラッキーガイである事に変わりはなく、Mature指定の、上に挙げたADV群であれば死体袋に即シュートされてしかるべき人間であり、グッドエンドですら刺されても文句が言えないような人生に変わりはない。
一周通して2時間程度、原作があるだけあって諸設定、人物バックグラウンドがよく出来ており、各々の人間関係(それはしばしば、大抵、殆ど、やっぱりが各エピソードに一人登場するマドンナとの肉体関係などだ、穴兄弟島耕作。)がそれぞれの選択肢の結果で断片的に提示されるなど意外にも深みのある佳作。
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