Razor 1911をご存知ですか?本当は知らない方が良いのかもしれませんが、彼らはスカンジナビアはノルウェーが誇る世界有数のWarez Crackチームであると同時に、世界有数のDemoチームです。なかなか日本では馴染みのない世界ですが、世の中にはこの手の犯罪者芸術集団みたいな連中が結構いるのです。そんな彼らの今回の仕事がこれです↓
Codemastersからリリースされた"商品"、F1 2011のクラックと美麗な64KB実行ファイル(64KB Intro)、いわゆるCracktroというやつで、プロテクトのかかった商用ゲームをクラックした自分たち自身の名前とその技術力を誇示するクラッカー署名の一種です。
これは1991年にRazor1911がクラックしたAmiga用ゲームBirds of PreyのCracktroに対するトリビュートとなっています、オリジナルは現在はチームを離れているRazor1911創始者の一人、Sector 9というメンバー(Birds of PreyのCracktroを作成した当時20歳、Razor1911の活動を始めたのは10代半ばという筋金入りのGeekクリミナル(笑))の作品で以下のものになります、こちらも64KB。
Razor1911は1985年(当初はRazor2992)、Sector9、Insane TTM、Dr.NOのノルウェーギーク三人組によって組織されました。ちょっと理解しがたいカルチャーですが、ヨーロッパ、ここスカンジナビアにはコピーパーティという商用ソフトのプロテクト解除(Crack)を誇示しあうWarezパーティ(交換会)があり、その際、上のデモのようなハイレベルな音楽とグラフィックを有する署名を記し技術力を誇示しあうというのがお決まりだったのです。ヨーロッパのコンピュータデモ芸術は犯罪と共にスタートしたと言っても過言でないでしょう、現代においてはデモシーンはクリーンなカタギデモパーティ(適法Demo Scene)が多くなりましたが、特にスカンジナビアは未だこのコアな犯罪芸術のノリを引きずったダークな部分が健在です。
ちょっと話がそれてしまいました、Razor1911は当初Commodore64を活動の場にしていましたが、80年代末期にはAmigaへ移行、90年代の初頭になるとチームの何人かはIBM-PC、つまりはDosに移行したようです。90年代半ばメディアがフロッピーからCDに変わると、今度はリッピング技術へ傾倒していきます、今では一般的となったISOフォーマットも実はこの頃のクラッカー達のがんばりなくしてなかったのです。
インターネット時代ともなればメンバーは世界中に拡散、クラッカーに境界(リージョン)なんてありません。 どっこいゼロ年代に入ってアメリカのRazor1911メンバーが逮捕されるという事態になり2004年頃には活動が停止、2年の空白期間を経て…
このCracktroと共にシーンへ復帰、そして現在に至る…というわけです。
今年のTokyo Demo Fest(カタギデモシーン) 招待作品もイカス!(80KB)
流石にWarezシーンについて 書くのは抵抗あったけどまぁアートとして節度をもって触れるのはいいかなーなんて。尊敬するチーム:Razor1911 (海賊行為はNO)ということで一つよろしくお願いします。
参考:
http://www.razor1911.com/(公式)
pouet -Razor1911 (リリース作品のアーカイブ、合法物のみ)
Bitfellas Interview (MediasRes) of: Sector 9/Razor 1911
Wikipedia:The Pirate Bay(スカンジナビアのアレ)
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